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どうにもならない「ダルさ」の原因とは?

 

 

 

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毎日、仕事を頑張っている皆さん!朝はいつもスッキリ起きられていますか?

 

 

僕は自慢じゃないですけど、昔っから朝は苦手で、

いまだにスッキリ起きられる事なんかほとんどありません。

 

皆さんの中にも、そういった方がいらっしゃるんじゃないでしょうか?

 

 

その場合、元々子供の頃から低血圧だったり、自律神経に問題があるためにそうなって

しまっているケース、というのもあるんですが、一方で、大人になってからの様々な問題に

よってそういう状態になってしまっているケース、というのも少なくありません。

 

 

そういった方というのは、自分の体がちっとも言う事を聞いてくれない分、

じつは人一倍、自分の体に毎朝ムチを打って、必死に頑張っていたりするもんなんです。

 

ですが、一般的な見方としては「ただの怠け者」程度にしか見られない、というのが

現実だったりします。

 

こういった事が初期症状になって起こるのが、春の季節によく聞く「五月病」などですね。

 

 

さて、そのような問題というのは、一体なぜ起きてしまうのでしょうか?

 

それにはちゃんと原因があったんです。

 

 

 

美容院を経営しているOさん。

 

ある時期を境に、毎日「どうにもならない疲労感」を感じるようになってしまった、

との事。

 

眠れない日も多く、しっかりと睡眠をとれたとしても体の疲れは抜けず、

以前のような元気も出なくなってしまった、という事です。

 

また、一日中睡魔が襲って来たり、精神的にも不安定な状態が続いている、との事。

 

それでも最初の頃は、なんとか無理をして仕事を続けていたようですが、

しまいにはお店のお客さんからも、あまりの様子のおかしさに体調の心配をされるように

なってしまった為、とりあえずは病院に行ってみる事にしたそうです。

 

 

最初に行った婦人科の病院では自律神経失調症という診断を受けて薬を処方されていた

そうですが、その薬を服用するようになってから、症状がさらに悪化。

 

 

本人いわく、「本当に死にたくなったツラい時期だった」との事でした。

 

 

あまりにも症状が悪化していたので、初診から数か月後に病院を変える事に。

 

次に行った心療内科であらためて診察を受けたところ、

薬を変えてもらったせいか、日に日に状態は改善。

 

薬を飲み続けることで、だいぶ状態は良くなってきていましたが、

それでも「最初の病院に行き始めたころよりちょっとは良くなった」という程度。

 

まだまだ、仕事をするのもツラい状態は改善していませんでした。

 

 

最初に体調の変化を感じ始めてから、約八か月ほど経ったそんな時期に当院に来院。

 

前述したような説明を受けて、とりあえず全体的に診ていくことにします。

 

 

まず、患者さんの状態をおおざっぱに診て、一番大きな問題はどこか?という意識で

探ってみると、「精神的な問題」というのが第一に浮かび上がってきました。

 

具体的には「寂しさ」「悲しみ」という感情の問題と、

その影響によって引き起こされる副腎、甲状腺、下垂体などの問題。

 

その中でも特に副腎の状態がもっとも悪く、それによって様々な問題が

引き起こされている、といった事が反応として出てきました。

 

副腎という臓器に対して、大きなストレスが掛かっていた事により、

副腎の状態が、3段階で言うと「レベル2」の状態にまでダメージを受けていた様子。

 

そういった影響によって、副腎から分泌される種々のホルモンが過剰に分泌されて

しまったり、あるいはホルモンが枯渇してしまうといった問題が

引き起こされてしまいます。

 

 

当然のことながら、そのような問題は、さらにからだのさまざまな問題を引き起こす

原因になるでしょう。

 

ちなみに、副腎のホルモンの分泌異常が引き起こす症状としては、

一般的に下記の様な事が挙げられます。

 

 

◇副腎疲労症候群・機能低下症 症状◇

…疲労感、漠然とした体調不良、免疫力低下、低血圧、起立性低血圧、低体温、たちくらみ

貧血、消化機能障害、頭痛、肝機能障害、アシドーシス、浮腫(むくみ)、肥満、心悸亢進、

恐怖感、不安症、うつ、パニック、集中力の低下、記憶力の低下、忍耐力の低下、学習障害

不機嫌、不眠症、甘いものや炭水化物の食品をむしょうに(無意識に)食べたくなるetc

 

 

◇副腎疲労症候群・機能低下症 続発症◇

…アレルギー疾患、自己免疫疾患、月経前症候群、無月経症、不妊症、分娩後うつ病

更年期うつ病更年期障害、頻発する呼吸器感染(鼻炎、副鼻腔炎、気管支炎、

慢性上気道炎、ぜんそく、かぜ等)、低血糖症繊維筋痛症慢性疲労症候群

成人性糖尿病、アルコール依存症、停留精巣、炎症性疾患(リウマチ、関節炎、大腸炎

十二指腸潰瘍、胃潰瘍クローン病、皮疹、他)、骨盤サブラクセーション(ct-Ⅱ)、

弛緩性回内足、頭蓋骨障害etc

 

 

実際、患者さんの訴えている症状と照らし合わせてみると、

やはりいくつかの症状が一致しました。

 

ひとまず、ここまでの検査結果を踏まえて、一番強く出ている問題から治療していきます。

 

 

感情的な問題による精神的な緊張を緩和するため、

まずはアロマテラピーの治療によって、緊張をゆるめていきます。

 

本人いわく「以前からアロマオイルの香りはすごくリラックスできるので好きだった」

との事。

 

もしかすると、精神的な問題への対処方法としては効果がある、という事を、

自分自身でも無意識のうちに気が付いていたのかもしれません。

 

 

アロマテラピーによって、原因になっている感情的な問題を少し「薄めた」うえで、

次に、問題を起こしている副腎等の器官の弱さを治療していきます。

 

 

自律神経と、その上位器官である視床下部等の関連や、栄養面の関連

酸化の問題などの関連を調べ、その都度治療していきます。

 

また、副腎等の弱さによってアキレス腱反射の減弱なども起こりがちなので、

そういった様々な面からもアプローチをしていきます。

 

ちなみに、副腎の関連筋が下肢に集中している関係もあって、

副腎の問題によって「扁平足」などの問題も、じつは頻繁に引き起こされます。

 

 

ここまでで、とりあえず1回目の治療は終了。

治療を終えて帰る頃には、来院時よりもスッキリした表情になっていました。

 

 

2回目の治療は二日後。

 

「精神的にも肉体的にも、だいぶ楽になってきた様子ではあるけれど、

まだスッキリしない感じが残っている」との事。

 

なので、前回出てきた問題をもう少し深く掘り下げて診てみます。

 

 

まずは、改めて全体的に診て、大きな問題があるところに意識を向けてみると、

肝臓脾臓、それと下垂体前葉から分泌されるFSHというホルモンで弱さが現れました。

 

おそらくこれらの問題も、感情的なストレス等が原因になって引き起こされた問題か、

あるいはそういった事が原因になって、二次的に引き起こされた問題かと思われます。

 

そのほか、消化器系の不調の原因とみられる腸内環境の問題も反応として現れていたので、

ひとまず、そこまでに出てきた問題を治療してしまいます。

 

 

そこまでで2回目の治療は終了。

 

治療を受けるたびに着々と体調は良くなっている、との事でしたので、

ここまでは順調にきているのではないかと思います。

 

 

3回目の治療はさらに一週間後。

 

「調子はかなり良くなっている」との事。

 

なので、ここまでの治療をさらに補完するような目的で、

もうちょっと深く掘り下げていきます。

 

 

副腎の問題について、具体的にどのホルモンが分泌異常を引き起こしているのかを

調べると、コルチゾール/コルチゾンというホルモンに反応が現れました。

 

また、副腎に対して、様々なストレスを意図的にかけることによって

副腎の弱さを引き起こす検査を行った結果、やはり感情的なストレスによる刺激や、

また、脳の一部である海馬との関連についても反応が現れました。

 

「海馬」というのは、脳における記憶の処理に関係する部位で、

PTSDうつ病の患者においては、

その部位の神経細胞の委縮が頻繁に確認される事が分かっています。

 

そのほか、副腎と脳との間の情報のやり取りの部分にも反応が現れたので、

そういったもろもろの問題を、片っ端から片付けていきます。

 

さらに、ホルモンなどを作るうえで必要とされる栄養素も不足しているようなので、

オメガ3などの良質の必須脂肪酸や、各種サプリメントの種類・必要量などを調べ、

日常生活において摂取する事などを指導します。

 

 

ここまでで3回目の治療を終えましたが、後日、近所で顔を合わせた時には

「もうすっかり元気になった!」との事だったので、

ひとまず、それで治療は終了しました。

 

 

計3回の治療によって、とりあえず表面的には良くなったかのようには見えましたが、反面

「ずいぶん良くなるのが早かった様な気がするけど、ホントにだいじょうぶかな…?」

という、若干の不安も感じていました。

 

 

というのもですね、患者さんの中には、毎日の生活を優先させるあまり、

自身の治療もそこそこに、一日も早く仕事に復帰する事だけに意識を奪われて

しまっている方、というのも少なくないからなんです。

 

ましてや、「精神的な問題」という、自分自身でもなかなか見えにくい部分の問題が

大きく関係しているのですから、こういった機会に

「ある程度じっくりと時間をかけて、自分自身を見つめなおす」

という事も重要なのですが…。

 

 

そんな心配をしていた時期から、さらに10か月後。

 

Oさんに、再び問題が起きてしまいます。

 

 

その2「二回目の治療編」に続きます。