わかりにくい治療家の世界のわかりやすい話

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じつは扁平足ってヤバい?その4

 

 

前回の続きー。

 

前回の記事を読んでない方はコチラ→

じつは扁平足ってヤバい?その1 - わかりにくい治療家の世界のわかりやすい話

 

じつは扁平足ってヤバい?その2 - わかりにくい治療家の世界のわかりやすい話

じつは扁平足ってヤバい?その3 - わかりにくい治療家の世界のわかりやすい話

 

 

 

今回で、このシリーズは最終回です(たぶん)。

 

 

最終回では、重度の扁平足の治療を行ううえで、絶対に必要不可欠なあんちくしょう、

「オルソティック」について紹介していきます。

 

 

前回の記事で紹介した「インソール」「既製品」の靴の中敷きなら、

「オルソティック」というのは、「オーダーメイド」の靴の中敷きになります。

 

一般的には、この「オルソティック」という名前自体、全く聞いた事がない人の方が

多いのではないでしょうか?

 

それもそのはず。

この「オルソティック」という物は、基本的に日本国内には存在しない物だからです。

 

それ以前の問題として、これは過去の記事にも書きましたが、日本では、

足の専門医である「足病医」という医学のジャンル自体が、そもそも存在しません。

 

 

「遅れている」というレベルではないのです。「存在しない」のです。

 

 

諸外国では、資格を取得して専門的に研究している医師が確かに存在する

「足病科」という科目が、なぜかこの日本という国では存在しない、という不思議な話。

 

おそらく「フリーメイソン」か「イルミナティ」辺りが

裏でなんかしているのでしょう(確信)。

 

 

さて、陰謀論はさておき、この「オルソティック」という物を説明するにあたり、

前述した話を踏まえたうえで、理解しておかなければいけない事があります。

 

それは何かというと、このオーダーメイドの「オルソティック」という物を

作ろうと思った場合、基本的には「外国の足病医」か、もしくは

「外国で専門に製作しているラボ」に依頼する以外に手段はほとんどない

という事です。

 

 

「足病医」という資格が日本では取得できない以上、

外国に行って資格を取得する以外に方法はありません。

 

実際、そうした方法によって海外で資格を取得している日本人医師も、

極めて少数ではありますが存在します。

 

しかし、わざわざ海外まで出向き、苦労して資格を取得したとしても、

日本国内にはそれを活かす場が無いため、

結局は、海外の医療機関で仕事をするしかない、というのが現状なのです。

 

つまり…

 

国内には「足病医」という資格も、そういった分野について研究する土壌も無い

→仕事や研究ができる場が無い

→専門の研究者も、「足病科」という科目も発展しない

→「オルソティック」を製作できる場所も、ノウハウも無い

 

こういう事なんですね。

 

 

その事については、実際にネットで検索してみるとよく解ると思います。

 

「オルソティック」というキーワードで検索しても、引っかかるのは、

うちの接骨院で、外国のラボへの制作依頼を引き受けていただいている、

総代理店「TOP-RUN」のグループがほとんどで、それ以外の情報は皆無です。

 

つまり、ネット上での話ではありますが、

日本国内において、しっかりとした知識や経験を持つ「足病医」によって、

オーダーメイドの「オルソティック」を製作している医療機関やラボ、といったものは

99%存在しない、という事です。

 

ですので、現実的な手段としては、

外国の足病医かラボに製作を依頼するしか方法が無い、という事になるのです。

 

 

しかしながら、実際に「オルソティック」の製作のために、わざわざ外国に行って製作を

依頼する、となった場合には、当然の事ながら相当な費用と時間が掛かってしまいます。

 

しかも、こういった製品というのは、作る人間の経験や技量によって、

出来上がるモノの良し悪し、というものに差が生じるものでもあります。

 

 

つまり、外国の足病医やラボであっても、

必ずしも満足できる「オルソティック」を製作してくれるとは限りません。

 

そういった事をどうやって判断して、優秀な足病医やラボを探すのでしょうか?

日本国内ですら、近所でいい病院探すのって大変ですよね?

 

そう考えると、「外国に行って製作する」という手段についても、

ハッキリ言って現実的な話ではないのです。

 

まぁ、お金いっぱい持ってる人だったら、どうにでもなる話ですけどね笑。

 

ましてや、「オルソティック」を製作する為のノウハウを持つ医師や医療機関が

存在しない日本国内で、仮にそういったものを製作できたとしても、

やはり、ある程度のレベル以上の物ができるとは考えにくいでしょう。

 

 

しかし、そのような、一般の方にとっては非現実的な事を代行してくれる会社が、

じつは茨城県にあります。

 

それが、前述しました「TOP-RUN」という会社です。

 

うちの接骨院でも、こちらの会社に「オルソティック」の製作依頼の代行を

お願いしているのですが、その会社では、常に良いモノを探し求めて、定期的に

諸外国(ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、アメリカ、イングランド等)

を飛び回っているそうです。

 

ちなみにここの会社の社長は、接骨院も経営している、いい年したおじさん(失礼)

なんですが、しかしながら、その年齢に見合わない行動力にはホントに頭が下がります。

 

 

さて、こういった医療の問題については、将来的には国内においても「足病医」という

医学のジャンルが発展し、「足病科」や「オルソティック」といった物が、

もっと身近な存在になる日が必ず来る、とは思います。

 

しかし、少なくとも今日の状況としては、国内において

そういった問題を解決するには、極めて難しい状況であることは否定できません

 

現実的にどうすればいいのか?という事を考えた場合、その手段というのは、

極めて限られたものになってしまう、という事はご理解いただけたかと思います。

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、

とりあえずその「オルソティック」という物とは、一体どういった物なのか?。

 

まずは、例によって、うちで依頼して製作してもらった製品をとりあえず紹介します。

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このオルソティックは、カナダのラボに依頼して製作した物になります。

 

うちの接骨院では、まず最初に足部の診断を行い、

次に、足部の骨格を理想的な位置に固定した状態で、

「バイオフォーム」という、柔らかいスポンジのような物で足型をとります。

 

 

ここで重要な事は、

「足部の骨格を理想的な位置に固定した状態で足型をとる」という部分です。

 

普通に立位の姿勢などで、扁平足のままの状態での足型によってオルソティックを製作

しても、結果として出来上がるオルソティックも、扁平足の状態の物が出来上がります。

 

当然ながら、そのような作り方をした物では、

足底アーチを理想的な位置で支える事はできないため、

扁平足に対する矯正力、というものはほとんど期待できません。

 

そういった問題を考慮したうえで製作されたオルソティックと併せて、

しっかりと足部を支える事ができるシューズを使用する事によってはじめて、

扁平足の問題を解決するための、準備が整うのです。

 

あくまでも「準備が整う」というだけの話です。

 

当然ながら、その上で様々な治療が必要になるのですが、

その点についてはまた次の機会に。

 

 

さて、前回と今回の記事で紹介した「インソール」と「オルソティック」。

 

その基本的な使い方としては、扁平足とそれによって引き起こされる

様々な身体の症状を改善させるために、必要不可欠なツールとして使用します。

 

その場合、扁平足のレベルや、二次的に引き起こされる症状の程度については、

当然ながら個人差があります。

 

そのため、一般的には、

比較的軽度の扁平足などの方については、既製品の「インソール」の使用を勧め、

中度から重度の扁平足などの方については、オーダーメイドの「オルソティック」

使用する事を勧めています。

 

そうする事によって、必要以上の出費を抑える事ができるのと同時に、

患者さんが望んでいる最善の結果を、最短距離で出すことができるのです。

 

 

それともう一つ、「オルソティック」を使用する必要性について。

 

上の方に掲載した画像のうち、黒い方のオルソティックをよく見て頂けると

分かると思いますが、右と左で高さが違うのが見てとれるかと思います。

 

これは、注文した患者さんの体の状態として、

扁平足と併せて左右の脚長差が1センチ程度あったためで、

その脚長差の補正という目的に対してオルソティックで調整を行うのです。

 

こういった問題の対処方法については、やはりオーダーメイドの

「オルソティック」でなければ、中々満足のいく治療結果は得られません。

 

したがって、基本的に1センチ以上の脚長差がある患者さんには、身体に対する影響

というものを考えて、なるべくオルソティックの使用を勧めるようにしています。

 

この「脚長差」というものについても、

患者さん自身では、なかなか気が付きにくい問題ではありますが、だいたい

1センチ以上のレベルになった場合、身体に対する影響は大きいと思われます。

 

 

 

欧米と比較すると、靴の文化の歴史はまだまだ浅い日本。

 

その問題点への対処方法についても「まだまだこれから」といった所でしょうか。