わかりにくい治療家の世界のわかりやすい話

キネシオロジーとかクラニオとかカイロとかアロマとか、なんだかこむずかしい事をわかりやすく発信するブログ

親の影響力、親知らず

 

フランスの作家アンドレ・マルローは、自著の中で

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「21世紀は精神の時代となろう。」

というような事を言ったそうです。

 

また、スイスの心理学者グスタフ・ユング

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キリスト教中心の西洋文明の終末は20世紀末 から21世紀初頭にかけて到来する。 そして次の文明は、一神教や独裁専制ではなく、 霊性の支配する時代となるであろう」

と、予言めいた言葉を残しています。

 

 

この「精神の時代」と「霊性の時代」という言葉はほとんど同じ意味の言葉としてとらえればよいかと思いますが、一方で「20世紀」という時代については「戦争の時代」とか「物質の時代」などと表現されたりします。

 

 

「戦争の時代」「物質の時代」から、「精神の時代」「霊性の時代」へ。

 

それはつまり、人々が望むものの価値観がモノやお金などの「カタチの有るもの」から、思考や感情・意識・気付きなどの「カタチの無いもの」へとシフトしている、という事を意味しているのではないでしょうか。

 

こういった、「物の豊かさを追い求める時代というのはとっくに終わっていて、現代は心の豊かさが最も必要とされている時代なんじゃないか?」という事に何となく気が付いている人、というのは実は意外とたくさん居るのではないかと思いますが、そういった「世の中の変化に対する認識」というのは間違いではないと思います。

 

もちろん、「カタチの有るもの全て価値が無い」というわけでは決してありませんが、しかしながら「カタチの有るもの」だけにとらわれてしまう事によって、何か自分だけが時代に取り残されてしまっているような、そんな危機感を感じてしまうというのもまた、あながち間違いではないでしょう。

 

一方、そういった「価値観の変化」というものは医療の世界においても同様で、「ただ揉めばいい」「薬で症状を抑えればいい」「手術をすればいい」「ただ治せばいい」などという平面的・二次元的な見方から徐々に、あるいは急激に変わりつつあるのかもしれない、といった事を日々感じています。

 

 

 

先日、来院された患者さんの治療のなかでも、そのような事を強く認識させられるような事がありました。

 

 

胸の苦しさを訴えて治療に来た30代の女性、Iさん。

 

ここ1、2週間前から、主に空腹時に締め付けられるような苦しさを感じる、との事。

 

「空腹時」という症状の出方を考えると消化器系の問題がまず第一に疑われるでしょう。

 

なので、まずは内臓関係の検査から治療を進めていきます。

 

 

まず大まかに消化器系と呼吸器系の問題を調べますが、特に弱さは現れません。

 

なので、もう少し詳しくそれぞれの部位ごとに調べますが、やはり問題は現れません。

  

検査を進めながらここ最近の全体的な調子を聞くと、              「いつもは問題なく順調にきている生理が、今回だけは少し遅れ気味」という話。

 

そんな話を聞きながら検査を進めている時に、Iさんの呼吸から若干の「胃酸のにおい」を感じました。

 

「胃酸」というのは文字通り胃から分泌される内分泌液で、基本的には食べ物が胃に運ばれる時に指令を受けて分泌される、食物を消化・分解するために必要不可欠なものです。

 

この「胃酸」が何らかの原因によって、食事以外の時にも必要以上に分泌されてしまう事を一般的に「胃酸過多」と言いますが、その場合、呼気に含まれる「胃酸臭」によって気付く、という事がよくあります。

 

Iさんにその事について質問すると、以前は仕事などでストレスを感じたりした時に胃の不調を感じることがよくあったそうです。

 

その話を踏まえて、胃を含む消化器系全般の機能を調べてみます。

 

最初に胃単独で検査した時には特に問題は現れませんでしたが、自律神経の問題と合わせて調べたところ、今度はハッキリと弱さが現れました。

 

他の消化器系には問題が現れなかったので、もう一つ、胃の関連筋である大胸筋鎖骨部の筋力テストを行った結果、右の大胸筋鎖骨部で筋力低下が認められました。

 

再びIさんに話を聞くと、そういえばここ最近、右の首から肩にかけて重苦しい痛みが現れていた、という話。

 

おそらくですが、右の大胸筋鎖骨部の筋力低下によって、右肩関節まわりの筋力バランスの問題が起きていたのだと思われます。

 

さて、ここまでに現れていた問題を整理すると…

 

胃の不調と呼気に感じる胃酸臭、肩の重苦しい痛みと大胸筋鎖骨部筋力低下

→胃の自律神経性機能低下

→日常生活におけるストレス?

 

こんなところでしょうか。

 

ひとまずここまでの問題をまとめて治療してしまいます。

 

治療後に今の状態をIさんに聞くと、治療前が10段階のレベル「10」だとすると、今は「6」くらいとの事。まだほかに問題が残っている感じですね。

 

引き続き、それ以外の問題を診ていこうとIさんに意識を向けると、なんとなく  「曇った感じ」の印象が気になりました。

 

そこで、最近何かストレスを感じる出来事がなかったかIさんに質問すると、   「仕事上の問題」と、もう一つ「母親との問題」があったとの事。

 

それぞれの問題についてイメージしてもらいながら、キネシオロジーテストで調べてみると、「母親との問題」の方に優先順位がある、という結果が。

 

聞くと、Iさんの母親は糖尿病を患っていて、それが原因でたびたび体調を崩すことがあるせいか、精神的にも不安定になりやすいという問題を抱えているそうです。

 

そして、母親が肉体的・精神的に不安定な時は決まってケンカになる、との事。

 

つい最近もやはり精神的に不安定だったせいか、連絡を取る事を拒絶されている状況が2・3週間続いている、との事でした。

 

そのような話を聞いた時、ふと「母親の方の治療の必要性」というのが頭に浮かんできました。

 

こういったひらめきの様なものというのは経験上、治療の方向性を決める上でとても重要な意味を持つことが多くあります。

 

そこで、ひとまずこの日のIさんの治療はいったん終了し、続いて母親の方の治療をしてみる事を提案しました。

 

といっても、Iさんの母親は当然この場には居ません。

 

なので、「遠隔治療」で離れたところからIさんの母親の検査と治療を行っていきます。

 

Iさんに母親の名前と生年月日等をうかがい、その日の会計を済ませてから母親の方の検査を始めます。

 

 

はじめに、「身体の問題」と「こころの問題」のどちらを優先すべきか調べると、「こころの問題から」という結果が出ました。

 

その結果を踏まえてメンタルの状態を調べていくと、驚くほど次から次へと問題が現れてきました。

 

まず感情の問題については「不信・疑惑」「恨み」「悲しみ」「恐怖」といった感情が浮かび上がってきました。

 

それから「感情の凍結」の問題、それと「お金」の問題などもあるようです。

 

それらの問題を優先順位の順に調べていき、それぞれの問題を解消する手段を探っていくと、ほとんど全ての問題について「浄化が必要」という結果が。

 

後日、Iさんから聞いた話ですが、実はIさんの母親というのは子供の頃に兄弟から強烈なイジメに遭っていたらしく、その時の話を何度も聞かされていたそうです。

 

その時の感情が何十年たった今でも残り続け、今もIさんの母親の心の傷として、母親自身の様々な問題に影響し続けていたのでした。

 

そして、その影響はIさんにも…。

 

Iさんに聞いた話によると、実はIさん自身もまた、幼いころからイジメに遭う事が多かったそうです。

 

こういった事というのは実は意外とよくある話で、つまり、親が経験して片付ける事ができなかった問題があった場合に、その子供が同じ問題を受け継ぐことになり、まったく同じようなことを経験する事になる、という事が実際にあるのです。

 

若いうちであれば、そのような問題を解消するという事も可能かもしれませんが、年齢を重ねるにしたがってそういった事というのは難しくなっていきます。

 

そのような場合には、本人の努力以外の方法によって問題を「浄化」する必要があるのかもしれないでしょう。

 

 

さて、Iさんの母親のメンタルの問題について、その浄化の方法を調べると、「塩による浄化」と「満月による浄化」という方法が有効、という結果が出ました。

 

「塩による浄化」は基本的に荒塩を使って行うのですが、ちょうど以前取り寄せていた「七五三塩」があったので、使えるか調べたところ「YES」との結果が。

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また、「満月による浄化」については、やはり以前使用したスーパームーン」の画像をネットで拾ってきて写真に印刷したものがあったので、同様に使えるか調べたところ「YES」の結果が出ました。

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案外、都合よく身の回りにあるもので事足りるものですねー。まぁ世の中そんなもんです。

 

とりあえずそれらのツールを使って、「Iさんの母親自身」ともう一つ「実家の場所」も浄化する必要がある、という結果がキネシオロジーテストで出たので、その結果にしたがって一緒に浄化していきます。

 

その他もろもろの問題も含めて施術を行い、終了後には念のため「サンジーヴィニの波動伝送カード」を使用して継続的に浄化を行います。

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その日の治療はひとまずそれで終了。次回、一週間後のIさんの治療の日に結果を伺う事に…。

 

 

と、思っていた矢先、Iさんが治療を行った翌日に来院されました。

 

なんでもその日の午前中、しばらくぶりに母親が電話をくれたとの事。

 

ちょっと前までの「精神的な不安定さ」がウソのようにまったく感じられず、なんだか別人のように機嫌が良かったそうで、久しぶりに仲良く話ができた事をとても喜んでいましたが、

「なんだろう…、先生の治療が効いたんですか…ねぇ…?」

と、なにやらキツネとタヌキにつままれて化かされて最後に胴上げされたかのような顔で不思議がっていました。

 

Iさんにとってはやはり母親の事は大きなストレスになっていたのでしょうか、Iさんの表情も昨日とは違ってとても明るく、体調も昨日よりかなり良いという事でした。

 

 

 

子供にとって「親」というのは、どれだけ拒絶しようと、どれだけ拒絶されようと、決して無視することができない存在です。

 

そういう存在であるからこそ、「親から受けた影響」というのはそう簡単には消すことができません。

 

「三つ子の魂、百まで」といいます。

 

例えそれが「ポジティブな影響」でも「ネガティブな影響」でも、        例えそれが「目に見えるもの」でも「目に見えないもの」でも、         子供の意識にはずっと残り続けるのです。

 

ですが、そのような「影響力」をちゃんと自覚している親御さんは極めて少ない、というのが現実です。

 

そのため、現代に生きる人の中には、様々な種類の影響を受けて育てられ、同時に「親が片付けられなかった問題」を抱える事になった人というのが少なくありません

 

そういった問題の存在に気が付くことができなかった場合、その問題はさらにその次の世代の人間に引き継がれることになるでしょう。

 

 

「子育て」というのは、もしかしたら「とても難しいもの」と思っている方が多いのかもしれませんが、理屈としてはとても単純な事なのです。

 

 

「ネガティブなことを引き継がせない」、そういった意識を持つこと。

 

 

たったそれだけの事なんじゃないですかね。わかんないけど。