わかりにくい治療家の世界のわかりやすい話

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どうにもならない「ダルさ」の原因とは? その2

 

 

前回の続きです。

 

前回の記事を読んでない方はコチラから→

 

どうにもならない「ダルさ」の原因とは? - わかりにくい治療家の世界のわかりやすい話

 

 

美容院を経営しているOさん。

 

前回の治療から約10か月後、今度は別の問題が起きたために来院。

 

前回とは全くちがう症状のため、パッと見は何の関連もない問題かと思ってしまいがち

ですが、じつは、根本的な原因の部分では、全く同じ問題が関係していたのです。

 

そして、その問題に隠れている、重要な「意味」とは…。

 

 

 

右腕を痛めた、と言って来院されたOさん。

 

美容師という職業上、利き腕というのは最も大事な「商売道具」

といっても過言ではありません。

 

そのため普段から、利き腕では重いものなどは持たないようにしていたりと、

神経質すぎるほど気を使っている、という事です。

 

その大事にしている「商売道具」を、なぜ痛めてしまったのか?

 

 

話を聞くと、なんでも布団を干そうとした時に、布団をかけていた脚立が

倒れそうになったので、とっさに布団を右腕で支えようと力を入れた時に痛めてしまった、

という事だそうです。

 

とりあえず、その話を聞く限りでは

「そんなに腕を痛める程の大きな負荷が、布団なんかでかかるものかな…?」

という、なにか違和感の様なものを感じましたが、ひとまずその事は頭の隅に置いといて、

まずは患者さんの状態を診ていきます。

 

 

患部を診てみると、肘周辺から手首までの間に若干の腫脹が確認されました。

 

また、肘関節付近の筋肉の付着部と、その筋腹の辺りに圧痛も確認。

安静にしていても、同様の部位に痛みを訴えています。

 

それから、手関節と肘関節を動かした時には痛みを訴え、特に、

手で何かをつかんだ状態で可動させた時に、一段と強い痛みが起こるという事です。

 

 

大まかに診て、急性のケガによる症状が認められたので、

まずは、現時点で現れている腫脹と疼痛の症状に対処していきます。

 

 

患部をアイシングをしてから、右上肢の関節の問題と筋力低下などの問題を調べ、

出てきた弱さを治療していきます。

 

仕事は休めない状況らしいので、とりあえず自宅でも一日数回のアイシングと、

包帯による圧迫固定を指導して、まずは一日も早く症状が解消することを目指します。

 

 

初回と2回目の治療では同様の施術を行い、それに伴って急性の症状も改善傾向には

あったのですが、若干、回復が遅いような気が…?

 

なので、3回目の治療からは、急性の症状に対する治療と合わせて、

治癒を遅らせているかもしれない慢性的な問題が無いか、調べていきます。

 

 

右腕を含め全体的に診ていくと、上半身に筋力低下を起こしている筋肉が複数見つかりました。

 

主に肩から腰にかけての広い範囲の筋肉に、筋力テストによって筋力低下が確認されます。

 

これが何を意味するのか?というと…。

 

体の軸になる部分の筋力低下が起きていた場合、例えば、とっさに腕で何かを支える、

といった時に、本来ならば体全体で支える事ができるはずが、腕の力だけで、

倒れそうになった布団を支えなくてはいけなくなってしまうために、結果的に、

今回の様な急性の損傷を引き起こす事になる、という事です。

 

つまり、急性の損傷を引き起こしたその背後には、

じつは、慢性的な筋力低下の問題が隠れていたということなんですね。

 

まぁ、こういった事なんかも「接骨院あるある」みたいなもんで、普通によくある事です。

 

なので、次はその筋力低下の原因を深く掘り下げていきます。

 

 

筋力低下を起こしている筋肉に対して、その原因になっている問題はないか調べると、

内分泌腺の問題が浮かび上がってきました。

 

具体的な部位を調べると、膵臓と、副腎

それと副腎と脳との情報のフィードバックの部分という反応が…。

 

あれ…?デジャブかな?

 

いえ、違います。

 

約10か月前に治療した時も、まったく同じような副腎関連の反応が現れていました。

 

つまり、これはどういう事なのか?

 

前回の治療の時に現れていた問題が、ずっと存在し続けていたために、それが

今回のケガを引き起こす一つの原因になっていたのかもしれない、という事なんです。

 

あるいは、問題の根っこがさらに深い所にあったために、

いったん改善した問題が再発してしまった、という事だったのかもしれません。

 

なので、今回はさらに徹底的に、問題の根っこの部分を掘り下げていきます。

 

 

筋力低下の原因として、副腎の反応以外に、上位器官である視床下部、下垂体の関連と、

そのほか、感情的な問題の影響かと思われる卵巣、膵臓、ランゲルハンス島などの

器官に弱さが現れました。

 

また、器官そのものの弱さ以外に、ホルモンの分泌に問題が無いかを調べると、

前述した関連器官の内、下垂体、副腎、ランゲルハンス島と、あとは副腎と脳の間の

フィードバックの部分にホルモン分泌の問題があり、副腎においては

特にコルチゾール/コルチゾンの分泌に問題がある、という反応が現れます。

 

その他、痛めた前腕と、問題が起きていた器官の一部に酸化の問題があったので、

そういった部分も含めて、

何もかも片っ端からオリャァァァ~!!と、片付けていきます(やっつけ仕事ではない)。

 

 

そんなこんなで、一つ一つ問題を片付けていきながら、治療の経過を患者さんに説明

したりするのですが、そこで、

「どうやらメンタルの問題が関係しているようだ」

という話をしたところ、思い当たるところがあるのか、Oさんが、ここ1、2年の間に

自分の身の回りで起こった出来事を、少しづつ、ゆっくりと話し始めました。

 

 

それは、前回の治療の時には聞く事ができなかった、

全ての問題の原因になっていた出来事の話でした。

 

 

そしてその出来事には、Oさん自身もまだ気が付いていないかもしれない、

「非常に重要な意味」が含まれていたのです。

 

 

「その3」に続きます。